わたし、シーズン2

読書が趣味の40代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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『爪と目』"あなた"がネットの世界にのめりこんでいく様子がリアル

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第149回芥川賞受賞作です。

 

独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させるホラー作品です。

爪と目 感想

......なんだろう。読み終わった後のこの感じ。

 

私の勝手な想像で子供が虐待されるのかと思っていたのですが、違っていました。

 

2人称は、違和感もなくスッと入ってきたのですが、とにかく想像力をフル回転させる本でした。

 

3歳だった「私」が淡々と語っていきます。”悪人”は1人も出てきません。

 

出てくるのは無関心な人々です。きっと現代社会において特別ではない、ただ無関心な人。

 

"あなた"がネットの世界にのめりこんでいく様子はリアルでした。

 

レンズを通してじゃないと、このリアルな世界が見えない"あなた"と、人を傷つけてしまうギザギザの爪の"私"。

 

最後のシーンの意味は、目がいい"わたし"が「私の見えている世界を見せてあげる」と言いたかったのかな。

 

それとも...子供の残忍さみたいなそんなものなのか...と、想像したけど著者の真意は分かりません。それも面白さなのだと思いました。

 

同時収録されている「しょう子さんが忘れていること」と「ちびっこ広場」もそれぞれに想像してね、的な感じでした。

 

コンタクトレンズをしている人は、イタタ・・・って感じかも。(私はコンタクトレンズを入れたことがないのでわからないですが...)(#藤野可織)

 

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