ドキュメンタリー番組『テレメンタリー2020』(毎週日曜4:30~)で放送された「強度行動障害 わが子を手放す日」を見ました。
滋賀県に住む和田智泰さん(当時17)は、重度の知的障害と強度行動障害がある。
強度行動障害とは、自閉症の人に表れる後天性の障害だ。物を叩いたり、自分自身を傷つけたり、激しい行動が表れる。日本に8000人ほどいると推測されているが、詳しい調査は行われていない。
父親の進さんと母親の泰代さんが、生活の全てを支えてきたが、年々歳を重ね、息子の介助をするのが限界になってきた。強度行動障害の男性と家族の姿を、2年半追った。
重度の知的障害と、強度行動障害がある息子さんを育てるご両親のドキュメンタリー。私はこちらを見るまで「強度行動障害」という障害があるのを知りませんでした。
自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど本人の健康を損ねる行動、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のことを言います。
日本には約8,000人の強度行動障害を持つ方がいるそうだけれど、診ることができる医師はまだまだ少なく、この障害の詳細な調査はされていないそうです。
実際、テレビで見た息子さんも自分の顔や体にたくさんの自傷した傷がありました。
おうちの壁やガラスには段ボールが貼られていて、みんながケガをしないようにされていました。
ご主人は、奥さんだけに負担がいかないよう会社を辞め、新聞配達や派遣のお仕事をしながら家族を支えています。
健常者の妹さんはお兄ちゃんの様子などを聞かれて「私にとっては日常で普通のこと。家族旅行に1度しか言ったことがないので、またみんなで家族旅行に行きたい。」と言っていました。
家族みんなが障害のある息子さんを愛している様子がとても伝わってきました。
でも、だからこその苦悩が見て取れました。
賃貸の住宅で、飛び跳ねたり暴れる息子さんを育てるのにはとても神経を使うと思います。
息子さんには睡眠障害もあり、そのせいでお母さんもまとめての睡眠がとれていないようで、画面越しで見てもとても疲れて見えました。
専門医の意見を聞きながら、制約のある自宅で過ごすことが息子さんのストレスである可能性もあり、飛び跳ねても大丈夫な個室のある施設の入所を決意するのですが...なかなか見つかりません。
見つかったと思ってトライアルしてみても「うちでは看れません」と断られたり。
断られて悲しい気持ちと、ほっとした気持ちで涙を流すお母さんが印象的でした。
その後、和田智泰さんはご両親が車で通える距離の施設に無事に入所することが出来ました。
でも、特に思い知的障がい者の施設は少なく、入りたくても入れないや、家族の暮らす自宅から飛行機の距離の遠く離れた場所に入るしかない人もいるそうです。
必要な人に必要な援助が行き届かないって悲しい。
本人はもちろん、障害者や高齢者を抱えた家族が安心して暮らせるようになったらいいな。
全てに言えることかもしれないけど...金銭的な補助だけでなく、とにかく体制・制度をしっかりと整えて欲しい。
介護・看護・医療は、ほとんどの人がお世話になるのだから、必要な人に必要な時にしっかりとサポートできるようになりますように。
番組名は「わが子を手放す日」ですが、実際は「わが子の巣立ち」だなぁと思いました。
ご両親だって年を取り、先にいなくなると思うから。
その時のためにも、息子さんが安心して暮らせる場所が見つかったことは、とてもよかったなぁ...と思います。
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