本屋さんで、ちょっと衝撃的?なタイトルが目に留まり買ってみました。
タイトルから予想できるように「毒親」と言われる母親(時に父)に育てられた、筆者の苦悩が描かれています。
『母がしんどい』 感想
この本に出てくる母親は、子供を縛り付ける....というか、干渉し所有物のようにする母親。
私の母とは、正反対のタイプです。
なので自分に置き換えて読むことはできませんでした。
私は、ほったらかされて育ったので、その反対というのはもっと心地いいものだと思っていました。
だけど、筆者(エイコ)のお母さんは病的です。(実際、こういう場合は親が病んでいることも多いのかもしれません。)
表紙は、満面の笑みのお母さんが大きく書かれているのですが、読む前と読み終わった後では、その表紙の絵がまったく違うものに見えます。
経験者ではない私にとっては、最初は「過保護なお母さん」って感じ。
感情で怒鳴るというのも、ある程度までは誰にでもあることなんじゃないかな・・・とか。
ただ、やはりそれが子供が大きくなるにつれてエスカレートして、娘をまるで自分の所有物のようにしていく感じは怖いです。
子供の心を歪めます。
一見人当たりがいい、この「お母さん」を嫌いだとか、苦手だとか思う事で自己嫌悪に陥るエイコ。
だけど、そんな苦しみや、迷いから少しずつ抜け出していきます。
「エイコのお母さん」はエイコに自分を投影する・・・というか、娘を自分の理想を形にしたいという歪んだ愛情なのかなと思います。
母親ならだれもが口にしたことのあると思われる言葉、「あなたの為」という言葉が、こんなにも重く暗く苦しいものになるって悲しいな...と思うとともに、
自分はこんな母親になってはいけないという事を心に強く思いました。
母親の鎖のような呪いで、子供を縛り付けてしまってはいけない。子供が困ったとき、辛い時に、ふんわりと包み込む優しく温かい毛布になりたいと、そう思わせてくれた本でした。(#田房永子
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