重たい本を読んだ後に読みたい1冊。
読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。
読むとどんどん元気が出るビタミン小説です。
ランチのアッコちゃん 感想
出てくる食べ物がとってもおいしそう。
料理があまり得意ではない私は、毎日こんなお弁当食べたいな~っと思いました。
4つのお話が書かれていますが、私は1番最初と1番最後のお話が好きでした。
少し疲れていた時に読んだのですが、思いのほか元気が出ました!同じようにしんどいなーって思ってる人がいたらおすすめです。(さっくり気軽に読めるのもイイ。)
▼以下、少し内容についての記述があります。▼
最後のお話に出てくる主人公は、自由な女の子と元上司。元上司はワンマンで、そんな彼(の仕事のやり方)に耐えられず会社を辞めていく人が何人もいました。
そんな人たちを見て元上司は「歯を食いしばって耐えるということをなぜしない。逃げるやつらは大嫌いだ」と思うだけ。
そして、そんな彼は夫婦で不妊治療を頑張っていました。だけど、ある日奥さんが「2人で生きていくのもいいと思う」と言います。
きっと奥さんも、たくさん悩んで出した答えだったハズなのに...
彼は、辞めていった部下たちと同じように「なぜ逃げるんだ」と妻を責めて、2人の間には距離ができてしまいます。
その時に奥さんが言った「あなたって、結局、怖がりなのよ。自分にとって居心地の良い生き方を追求するのが怖いのよ。それは逃げじゃないのに。」という言葉が心に刺さりました。
人はみんな、自分に心地の良いように生きていい。
それは時に勇気がいることだけれども...自分の居心地のいいように生きる事を「逃げる」だなんて思わなくていいんです。
おいしいものを食べる。誰かと食べる。
たったそれだけだけのことが、人間にはとても大切なことなのかもしれません。(#柚木麻子)