この本の主人公「オカメ」はミニチュアダックスフントのおんなのこ。
元繁殖犬だったけれど4歳の時に保護されて、おおが家(作者)の家族になりました。そんなオカメの一生を書いたコミックエッセイです。
姉妹作として『 いとしのギー』もあります。
いとしのオカメ 感想
私がこの本と出会ったのは、愛犬スニフに病気(血管肉腫)が見つかり、残された時間がもうそんなに長くないと分かった時。
冒頭から心をつかまれて、読み終わりには珍しく...本当に珍しく声を上げておいおい泣いていた。
私の膝の上には死が迫っている愛犬がいて、本の中のオカメは静かに旅立っていく。
オカメを見送りながら泣いている作者は、そう遠くない自分の姿だった。
具合の悪い愛犬が食べられるものを必死で探す日々。
病気が進行し、もっともっと苦しくなることを想像しながら「逝くのが今日ならいいのに。今日なら苦しくないのに。」と思いながらしんどうそうな愛犬を抱きしめ、
「でもやっぱり自分が死ぬ3分前まで生きて欲しい」と願う本の中の作者は、まさに私だった。
人間を含め、生きていればいつか命の終わりがやってくる。
ペットと暮らしている以上、その子たちを見送ることは飼い主の役目だということも知っている。
それでも...愛するペットとのお別れや、じわりじわりと死期が迫ってくる日々はあまりにも苦しく、言葉にできない痛みを感じる。
様々な感情が入り混じって...頭も心も混乱してしまう。
そんな私を支えてくれたのは、この本やブログ、そしてSNSにあるたくさんの経験者のお話だった。
愛犬の看病をしながら、闘病生活や旅立ちのエピソードを読み漁る。
その度に「こんなに辛い経験をしたのは私だけじゃない。こんなにも愛されて旅立ったペットたちは皆、本当に幸せだ!」そう思うだけで、とても慰められ癒された。
この本も決して「悲しいお話」ではない。
愛し愛された犬と人間の、素直でまっすぐな記録である。
私も愛犬スニフを見送ってもうすぐ1年が経つ。
まだスニフの動画を見ることはできないし、たくさんの後悔もある。
思い出して、ふと涙が出てしまうこともある。
だけど、最近は心から「ありがとう」と思えるようになった。
私と出会ってくれてありがとう。
私を愛してくれてありがとう。(#おおがきなこ)