以前読書感想文を書いた『カルト宗教信じてました。』の続きのコミックエッセイです。
カルト宗教やめました。~「エホバの証人2世」の私が信仰を捨てた後の物語~ 感想
エホバを退会した”たもさん一家”のその後と、前作を書くことになった経緯が書かれていました。
作者・夫の母親は共に熱心な信者。ゆえに、作者たちが宗教を脱退した現在でも確執があります。
母親たちは自身に何かよくない事が起こると、子供たちがエホバから脱退したからだ...と考えたり、子供たちは脱退しているのにエホバの教えと違うことをすれば怒ったり。
作者はそんな親たちと上手に付き合えないことを悩んでいるようでしたが、私だったら確実に縁を切る、または完全に疎遠になると思います。
でも、そうしないのは2人の優しさなのか...な。
信仰の自由はもちろん大切だと思います。誰が何を信じたっていい。
だけど、それを人に押し付けてはいけないと思うのです。
他人であれば、しつこく勧誘されて嫌だったら断ったり、絶縁するなり距離を取ることが出来る。
でも子供は、ほとんどの場合親に従うしかないから。
だからこそ判断能力のない子供を洗脳し入信させるのは、ある意味虐待ではないかと私は思います。
信仰の自由とは、信じる自由でもあるけれど信じない自由でもあるから。
この著者は4人兄弟なんだけど、信仰させられているのはこの著者1人。
「断れなさそう」という理由で、母親に集会などに連れていかれるようになったと書かれていました。
なので他の兄弟は信仰とは無関係で自由に育ち、社会にしっかりと溶け込み楽しんでいるようでした。それもまた毒親だなーと思いました。
なんだかんだと書きましたが、宗教やマルチ商法などの「洗脳」から解放されるには、周りの力は微力で結局、本人が気づくしかないと思います。
事実...夫の弟も結婚相手の一族がこのエホバの信者だったため、現在では熱心な信者です。
「入信した」と聞いたとき(何の相談もなく事後報告だった)、夫も夫の実家の家族も反対し説得しましたが「理解なんてしてもらわなくてもいい。僕はこの宗教の教えを信じている。」と聞く耳を持ちませんでした。(そんなこともあり、夫は弟と絶縁状態です。)
作者のように自分の力で脱退できる人は本当に凄いと思います。
私が今まで知らなかっただけで、宗教2世として苦しい思いをしている人は意外にも多いそうです。
この経験談が、そういった人たちの生き方のヒントになったらいいなぁ~と思います。(#たもさん)