ドキュメンタリー『クマとタマ~軽井沢・ベアドッグの取り組み~』を見ました。
人とクマの共存を目指す軽井沢町で、クマ保護管理対策事業に取り組む「特定非営利活動法人 ピッキオ」の活動を追ったドキュメンタリーでしたが、とても心に残りました。
私は正直に言うと、狩猟が少し苦手です。
狩猟に反対しているとか、軽々しく「かわいそう」とか「命がどうこう」とか言うつもりもありません。
適正な狩猟は、一次産業の保護や生態系の維持のために、大切な仕事だということも理解しているつもりです。
ただ、狩猟につかう猟犬を大切にしない猟師は一定数いて、年老いたり仕事が出来なくなると山に捨てたり、最悪な場合は撃ち殺してしまう人もいると聞きます。(愛犬ミィを譲り受けた愛護団体は、そういった猟犬の保護もしています。)
見るに堪えないような環境で猟犬を飼育している人もいます。
そして犬が好きな私は、猟犬がイノシシなどの狩猟でケガをしたり命を落とすことに心が痛いと感じてしまうからです。
しかし、今回見たこの番組に出てくる「ベアドッグ」は猟犬ではありません。
ベアドッグたちは家庭犬のように、家の中でハンドラーと共に生活をしながら暮らしています。
そして、ハンドラーと共にクマと一定の距離を保ちながら、吠えたてて威嚇しクマを森の奥へ帰すお仕事をしています。
加えて、罠(もちろんクマを傷つけない仕様)にかかったクマにGPSを装着し、人が住むエリアにクマが入らないよう監視しています。
GPSにより、もし近づいているのが分かればベアドッグを連れて行き、山の奥へ帰します。
この活動により、クマを守りながら人の生活も守られていました。
クマは危険な動物でもあるので、初めは地元の人の理解を得にくかったと言います。(極端な言い方をすると、クマは危険なんだから守らずに殺せばいいという意見があったということ。)
しかし現在では、ピッキオの活動は地元の理解も得て、ベアドッグたちも地域の人たちにも愛されているようでした。
もちろん、どうしても危険な場合(何度も同じクマが住宅地へやってくるなど)は駆除することもあるそうですし、それも住民の生活を守るために大切なことだと思います。
お互いのテリトリーを守りながら野生動物と共に生きていく。
本当にとても素敵な取り組みだと思いました。
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