2022年に発売された、益田ミリさん4年半ぶりの書き下ろしエッセイ。
彼女が小学一年生の頃の日々が、27点の描き下ろしカラーイラストと共に綴られています。
小さいわたし 感想
私は30歳前後、益田ミリさんの作品が心地よくて大好きだった。
だけど、歳を重ねると共に...なんとなく合わなくなってしまった。
それでも、あの頃の心地よさにまた出会えるのではないかと彼女の作品を追ってしまうのだけれど。
この本も正直私には合わなかった。
凄く嫌な言い方をすると、共感できるところはなく....共感性羞恥を感じてしまうような感じ。
でも...その理由はだいたい自分で分かっている。
感性の違いもあるのかもしれないけれど....ミリさんの幼少期は温かく愛されている。
それは他のエッセイなどでも感じていたことだけれど、愛されて育っているのだ。
きっと、そこが私と大きく違うんだろうなと思う。
小さなミリさんは「絵具セット、みんなと同じかな?」とか「遠足のリュック、みんなと同じかな?」ととても心配するが....結局、みんなと同じでホッとする。
私も同じような心配をしたが....見事に学年全員が水色だった鍵盤ハーモニカが私だけピンクだったし、リュックも私だけ大人用だった。
母に「なぜみんなと同じものを買ってくれないの?」と聞くと「みんなと違う方がいいじゃない」と言われて、小さいわたしは絶望した。
その他、先生や家族とのやり取り、学校での過ごし方など...何をとっても私の幼少期は、思い出すとヒリヒリするするようなことばかりだ。
私の幼馴染にも7ミリさんと同じように愛されて育ち、昔のことをとてもよく覚えている子がいる。
会えば「小学生の時のアレ覚えてる~?」とか「あの時、スティンキーちゃんってこう言ってたよね」と私の記憶にはないような小さな小さな昔のエピソードを話す。
私はそれが正直、とても苦手。
ちょっとした怖さを感じてしまう。
そういう感覚をちょっとこの本を読んだ時に感じてしまった。
...と少し辛口なレビューになってしまったが、この本はAmazonなどのレビューもとても評価が高い本で、本当にほんわかしている素敵な作品。
だからきっと、私のような感想を持つ人はごくわずかだと思う。
いや...これはもう感想などではない。
「小さかった私」は、小さかったミリさんが羨ましくてしょうがないのだ。
(#益田ミリ #家族の話 #HAPPY・癒し)