わたし、シーズン2

読書が趣味の40代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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NHKスペシャル ドラマ『こもりびと』引きこもり当事者とその親の葛藤

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録画していたNHKスペシャル ドラマ『こもりびと』を見ました。

 

www3.nhk.or.jp

 

NHKスペシャル ドラマ『こもりびと』 感想

10年以上に渡って引きこもる40代の息子を松山ケンイチさん、その父親を武田鉄矢さんが演じています。

 

お二人の演技がとてもリアルで引き込まれます。

 

 

引きこもり当事者の息子は、誰にも言えない気持ちをブルーハーツの歌詞で表現していました。

 

私も若かりし頃、ブルーハーツをよく聞いていたのでとても懐かしかったです。

 

もう30年も昔の曲なのに全く色褪せないことへの驚きと、多感だった頃(思春期)に自分を投影したであろう歌詞に、30年経った今も支えられている姿に少し切なさも感じました。

 

尾崎豊やブルーハーツは多くの若者の心に寄り添い救ってきたと思うけれど、大人になるとあのような想いは消えていき...忘れてしまう。

 

なので、大人になってからもあの感性・感覚のまま生きてゆくのは、いささか息苦しく辛いことだろう...と思ったりしました。

 

 

 

ドラマの中の父親は元教師で、とても「正しい人」。

 

長男は父親に似て、優秀。

 

そして松山ケンイチさん演じる次男は、父の望む「正しい生き方」が出来ず...鬱で仕事を辞めてから、長い間引きこもっています。

 

 

父親と次男の両方の気持ちを描いているのですが、正直どちらの気持ちも分かる。

 

父親の「自分の亡きあとに自分でしっかり生きて欲しい」という気持ち、大切に思っているからこそ叱咤激励のつもりで、責めるようなことを言ってしまう気持ちも分かる。

 

ただ生きてくれているだけでいい....親はそう思いつつも、やはり子供には自分の思う「幸せ」でいて欲しいと願うから。

 

 

でも、息子には息子の傷があって。

 

「がんばれ」が辛い気持ちもよく分かる。

 

とにかく、見ていて胸が締め付けられるドラマでした。

 

 

 

引きこもりと言われる人は、現在日本に約100万人いると言われています。

 

その多くが、親が高齢になっている中年世代

 

私の身内には当事者がいないので、どこか他人事のように感じていましたが...

 

今後、夫が心の病になって働けなくなることや、子供が突然学校に行けなくなる...と言うことが絶対にないなんて言いきれない。

 

その時にどうすればいいだろうか...と考えながら見ました。

 

 

 

身内にはいないけれど、友人の兄弟や知り合いの息子さんなどが引きこもっている話は、何度も聞いたことがあります。

 

あくまでも私の周りの話ですが...中年の男性が圧倒的に多く、父親が厳しい(または地位のある)人が多いです。

 

ゆえに、父親との関係があまりよくない。

 

だけど経済的に実家を出ることが出来ず、父親と同じ家に住んでいる...そして、さらに関係が悪化するという話も何件か聞いたことがあります。

 

 

私は個人的に、なんでも親のせいにするのは好きではありません。

 

でも、自分の子供が学校に行けなくなったり社会に絶望した時には、叱ったり責めたりするのではなく、かといって「それでいいよ」と放置するでもなく...

 

なるべく早い時期に代替案(学校に通えないなら転校やフリースクール、外で働くことが難しいなら職業訓練など)を一緒に考えてあげなければいけないなぁと思いました。

 

 

それですべてが解決するとは思いませんが、引きこもりの期間が長くなるほど、本人も辛くなるだろうし、家族と本人の間で深い会話が難しくなってしまう気がします。

 

とはいえ、この問題は「親と子の問題」というような単純な問題ではなく、引きこもってしまう原因に、鬱や精神疾患や発達障害が隠れていることも多くあります。

 

その場合は親だけでどうにかできる問題ではないので、医療や就労支援などのサポートが必要になります。(その場合もなるべく早い方がいいと思います。)

 

だから引きこもりの問題を「よそのお宅の話」ではなく、社会全体で考えサポートしていかなければいけないと思います。

 

 

以前、引きこもり・ニートの人に研修を行い、積極的に採用している企業の話をテレビで見ました。

 

minamifuji.com

 

こういった取り組みがもっと増えて、引きこもってしまった人が再び社会に復帰できるような道がたくさんできればいいと思います。

 

そして「引きこもり=怠け者」とか「引きこもり=犯罪予備軍」というような偏見がなくなればいいなと思いました。

 

誰だって「こもりびと」になる可能性があるのだから。

 

* このドラマの感想を書きました *