読書感想文-受賞作品
本屋さんで、タイトルがなんとな~く目に留まり購入。 収録されている「まばたきがスイッチ」は、第12回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞作品です。(故に性表現が多めです。) 主婦病 感想 ”主婦”が主人公の6話連作短編集。 タイトル買いしたので、主…
「母影」と書いて”おもかげ”と読みます。 ロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル&ギターの尾崎世界観さんの4年半ぶり、初の純文学作品。第164回 芥川賞候補作です。 母影(おもかげ)感想 小学生の女の子の目線で物語は進んでいきます。 シングルマザ…
五編の作品による連作短編。 1話目の物語「西国疾走少女」は、2016年に第15回女による女のためのRー18文学賞読者賞受賞作です。 故に性描写が多めになっています...が、決してエロ”とは言ってほしくない。生々しくリアルなのですが、なぜか切ないそれなので…
第124回(2000年)直木賞受賞作です。 2002年にNHKBSにてドラマ化もされたそうです。 (Wikipediaでキャストを見てみましたが、原作のイメージに合うキャストだと思いました。) ビタミンF 感想 「炭水化物やタンパク質やカルシウムのような小説があるのな…
ワーカーズ・ダイジェスト 感想 偶然、しかも仕事で会っただけの男女のお話。 津村さんの書くお話は、特にドキドキするような展開もなく、ただ日常を切り取ったようなお話が多いんだけれども、どの作品も心をガッチリと掴まれてしまう。 それはきっと... 毎…
第5回女による女のためのR-18文学賞で大賞と読者賞を受賞した作品です。 江戸は吉原での遊女のお話。 安達祐実さん主演で映画化されています。 // リンク 花宵道中 感想 花魁のお話なので作中に性描写があるので、好き嫌いは分かれるかもしれませんが、女性…
第31回日本SF大賞受賞作。 冒険と驚きに満ちた長編小説です。 ペンギン・ハイウェイ 感想 小学校4年生のアオヤマ君が主人公。 さわやかな季節に読んでほしい、ファンタジーな世界です。 自分の乏しい想像力をフルに使って読みました。 探検をする道のりなど…
姉とその娘が大阪からやってきた。 三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。 そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。 乳と卵 感想 独身の"私"と母である巻子、その娘で、思春期まっただ中の緑子の3人の物…
第164回芥川賞受賞作。(2021年本屋大賞ノミネート作品) どこの本屋さんでも品切れで、手に入れるのに苦労しました。 推し、燃ゆ 感想 私は、40年近いこの人生で一度も「推し」がいたことはない。 いいな~と思う俳優や歌手がいても「いいな~」止まり。 ファ…
第149回芥川賞受賞作です。 独自の視点へのアプローチで、読み手を戦慄させるホラー作品です。 爪と目 感想 ......なんだろう。読み終わった後のこの感じ。 私の勝手な想像で子供が虐待されるのかと思っていたのですが、違っていました。 2人称は、違和感も…
Aではない君と 感想 ある日突然...同級生の殺人容疑で14歳の息子”翼”が逮捕されます。 離婚し新たな人生を歩もうとしていた父と、息子と一緒に暮らしていたけれど忙しい毎日に追われ子供が見えていなかった母。 親である限り、自分の子供が被害者になるだけ…
第139回芥川賞候補作。 私は津村さんの描く「怒り」が好き。この人の世界観が好き。 この作品は表題通り、冠婚葬祭に翻弄される主人公の話です。 婚礼、葬礼、その他 感想 大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。 「行…
29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた 感想 主人公は29歳になった派遣社員の女の子。 一人ぼっちで迎える29歳の誕生日に、「自分はどうしてこうなってしまったんだろう・・・」と人生を振り返える。 その振り返った人生に、私から見ると失敗なんかなくて。…
私は津村記久子さんの文章がとても好き。 彼女の書いている事は日常のなんでもないことが多い。 ドキドキするようなことが特に起きる訳でもなく淡々と過ぎる毎日を書いている。 それが、すっと入ってくる要因なのかも。そして、「怒り」を書くのがとても上手…
第149回直木賞受賞作です。 この作品の舞台は、廃墟となった「ホテルローヤル」というラブホテル。 作者 桜木紫乃さんのご実家が営まれていたラブホテルと同じ名前です。 ホテルローヤル 感想 7つの連作短編集なのですが、進み方が非常に好きで一気読みでし…
第15回ボイルドエッグズ新人賞受賞。 題名から、勝手にほんわかしたファンタジーなのかと思ったのですが、実際は28歳の女性3人のお話です。 小さいおじさん 感想 中学二年のときに同じクラスだった、28歳の女性三人。 3人は中学校の同窓会で再会するんだ…