カンヌ国際映画祭で審査員満場一致で[最高賞]パルムドールに輝いた『パラサイト 半地下の家族』。
見始めてすぐに、なぜか「万引き家族」が頭に浮かんだ。
普段、韓国ドラマや韓国映画を全く見ないので、どうかな~と思いつつ見始めたが...
いやいや引き込まれる、引き込まれる。
前半はコメディっぽく、コンフィデンスマン.jpのような雰囲気だったが、話が進むにつれてじんわりと手が汗ばみ、クライマックスではぐっしょりだった。
貧富の差、格差社会を「地上・半地下・地下」という”段差”や、画面からは感じることができない”におい”で魅せるところも素晴らしかった。
役者さんもそれぞれの役にとてもあっていて、狂気すら感じるほど。
映画に出てくるこの「半地下」とは、作中で貧困を描く象徴のようなものだと思ったら、韓国には実際に半地下(パンジハ)という物件があるらしい。
一般の家よりも家賃が安いが日光が届かず、薄暗く、夏には蒸し暑く、湿度が高いためにカビが発生しやすいそうだ。
キャストや映像の撮り方、ストーリーもよく、ところどころに散りばめられた伏線をキッチリ回収するのも気持ちいい。
特に、物語のキーとなる「山水景石」が洪水の際に浮いていたこと。
おかげで、息子ギウは一命をとりとめた...のだと思う。
見終わった後も、しばらく鼓動が早いままで...心がざわざわする、そんな映画だった。
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