2017年10月に発売された益田ミリさんのコミックです。
以前「小さいわたし」の感想で、益田ミリさんの作品は歳を重ねると共に...なんとなく合わなくなってしまったと書きました。
それでもミリさんを追ってしまうのよね。
1番しんどかった時代を支えてくれた作家さんの1人だから。
こちらはエッセイではなくコミックなのですが、私が大好きな「すーちゃんシリーズ」を思わせるような、なんでもない日常の切り抜きと....ちょっとした心のブラックな部分の描写とで、昔のミリさんの作風のような感じでした。
思春期真っ只中の主人公のこはるの15歳から10代最後の日までの日常が描かれています。
こはる日記 感想
「母」の「女」の部分に嫌悪感を感じたり、家族には何を言われてもうっとうしかったり、友達に無理やり同調したり...でも時に憧れたり。
この本を読むまですっかり忘れてしまっていたけれど....思春期の心って少し不安定で、本当に忙しい。
本当にどうでもいいようなことでも、こはるは悩んだり、イラついたり、恥ずかしく思ったりします。
でも、なんか分かるのよね...そういう気持ち。
私も昔は10代だったから。
だけど....私がこはるに対して感じた「その気持ち、分かるよ」というのは、一種の懐かしさであり、今の私はこはるのお母さんの気持ちの方が分かってしまう。
そしてきっと、こはるがお母さんに感じていたことは、娘も私に対して思っていたんだろう。
少し寂しいけれど、みんなそうやって大人になっていくんだから...ね。
そんなことを思うと、私も知らぬ間にずいぶん年をとってしまったんだなぁとしみじみ思いました。
(#益田ミリ)