第139回芥川賞候補作。
私は津村さんの描く「怒り」が好き。この人の世界観が好き。
この作品は表題通り、冠婚葬祭に翻弄される主人公の話です。
婚礼、葬礼、その他 感想
大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。
「行かなければ・・・」と思いながら参加するそれらは、まさに“召喚”という表現がぴったり。
所々、毒づいてはみるけれど、その毒に共感するし、結局「イイヤツ」な主人公が好き。
"私"が楽しみにしていた旅行 >結婚式 > 葬式
こういうのを人に言うと「白状者め!」と思われるんじゃないか...と思いつつも、1度は誰でも心の中で思ったことがあるんじゃないか...みたいな、そんなことをユーモア交じりに書いちゃう感じも好き。
表題作と、「冷たい十字路」の2編が収録されています。
両方好きです。(ただ、冷たい十字路は登場人物の名前がカタカナで、若干読みにくい。)
そして、両方読んで思うこと。
生きていくという事は、どこかで誰かと係わっていかなければいけないし、ガマンもしなければいけないんだなぁということ。(#津村記久子)
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