四十九日のレシピ 感想
子供がいない主人公の百合子、そして子供を産まなかった継母の乙美を中心に物語は進んでいきます。
途中、百合子を想うと苦しくて悲しくなります。
でも「百合子」を支える人達が、凄く優しく温かいことに救われます。
私もそうだったけれど...
きっと人は自分の思うようにはなかなか生きられず、思い描いた自分とは違う自分に気づき、自分を責め、自分が手に入れられなかったものを嘆く。
そして他人を羨み、時に自分では認めたくないほどのどす黒い感情が湧く。
そしてそんな自分がとても嫌で・・・また悲しくなる。
だけど、そんな悲しみの中にも、温かく自分を想ってくれる人がいて、再生できる力をもった自分も、ちゃんといる。
自分の年表は自分だけのもの。
私は私の年表をどれだけ埋められるか分からないけれど。百合子の父が言った”お前の年表の空白はお前が動かなければ埋められん。”という言葉が胸に響きました。
そして百合子の継母の”乙美”のように、お金や土地や財産ではない。
生きる術や、前に進むための力を我が子に遺してあげたいと...そう強く思いました。(#伊吹有喜)
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