カルト宗教「エホバの証人(ものみの塔)」の2世信者で、同じ2世と結婚した作者が書いたコミックエッセイです。
家や職場に主に2人組で勧誘に現れるあの宗教。
名前は知っているけれど、実態は分からなかった「エホバの証人」について詳しく書かれています。
カルト宗教信じてました「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由 感想
私が小学生の時、同級生に「宗教上の理由」で全ての行事に参加しない子がいて不思議に思っていたのですが、この本を読んで...この宗教だったんだと思いました。
きっとたくさんの人が、インターホン越しに対応したことがあるであろうエホバの証人。
2人連れでにこやかに勧誘しにくるマダムとは裏腹に、子供に対する虐待を自慢する場面には衝撃を受けました。
”ハルマゲドンが起こり全人類が滅亡するが、自分たち信者だけは救済される”
そんなこと普通に考えればありえないと思うのに、どうして人は洗脳されてしまうのか。その過程も詳しく書かれていました。
心の隙間にすーっと入り、その隙間や孤独を「宗教」や「疑似家族」で埋められたような錯覚を起こす。
そして普通で考えるとありえないと思うことでも信じ、そこが自分の居場所だと安心してしまう。
そう考えると...宗教にハマる人が一定数いるのも、少し納得してしまったりもします。
作者は同じエホバ信者2世と結婚しますが、この人がまともでよかったと思います。
とある出来事をきっかけに、夫婦で話し合い作者夫婦はエホバから脱退します。
それまでの思想を断ち切るのは大変そうでしたが、本当によかったと思いました。
カルト宗教を家族によって強制させられる2世は、本当に大変だと思いました。
子供はどうしても親に従うしかないから。
とても大切な幼少期、思春期時代にたくさんの犠牲を強いられることになってしまったこの作者さんご家族が、たくさんの「普通」を取り戻せますように。
「信仰の自由」があり「信仰しない自由」がある。
苦しんでいる方の手にこの本が届くといいなと思います。(#たもさん)