わたし、シーズン2

読書が趣味の30代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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『なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白』元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品

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第91期生として宝塚歌劇団に入団し、「あうら真輝」の芸名で活動していた元タカラジェンヌの東小雪さんが、自身の半生と実の父からの性虐待をカミングアウトしている作品。

ご両親ともに地元金沢では名の知れた方のようで、誰から見ても幸せそうに見える家族。一人娘の著者が、宝塚音楽学校へも合格し順風満帆...だと思ったのに。

本書で最初に驚くことは、宝塚音楽学校の闇。特殊な環境なので、普通の学校とは違う...と言えども、無意味で陰湿なソレが「伝統」とされていることには異常性を感じた。(ファンの方にとっては、知りたくない裏側かもしれない。)

音楽学校を卒業し、宝塚に入団したが嫌がらせなどで精神的に限界がきて退団。その後もどんどん悪化していく。

著者は幼少期から精神科への通院があったようだが、退団後の病み方は驚くほどで、オーバードーズやリストカットを繰り返し、閉鎖病棟に入院するまでに。

ここまででも、十分にハードな人生だと感じた。

 

実父からの性的虐待については、大人になってから、とある心理カウンセラー(催眠行動療法)によって記憶が呼び起こされていくのだが、その記憶がとても曖昧。

辛い経験から自分を守るために、そういったことはよくあるようだが、様々なレビューなどでは疑問視する声もあがっているのも見た。(結構辛辣な意見もあった。)

ただ、実父はすでに亡くなっているし、私には著者の記憶が本物なのか、作られたものなのかなど私には分かりもしない。

そして何より、性被害を訴えている人に「あなたの話は記憶違いなんじゃないの?」などと言うよう人間でありたくないので、私は書かれていることを事実として受け止めた。

できれば、母親から話をもっとしっかりと聞けたらいいと思うけれど、母親との関係もあまりよくない。

そういうことも含め、周りから見たら誰もが羨む理想の家族は(少なくともこの著者にとっては)虚像・偽りであるのだが、実はそんな家庭は多いのかもしれない。

 

性的虐待は、なかなか表に出にくい犯罪だと思うが、その心の傷は計り知れないと思う。この本を読み、様々な性的虐待の被害者の告白や裁判記事を読んだのだが、犯人(多くは義父・実父)のあまりの鬼畜さに吐き気すら覚えた。

 

著者はレズビアンであることを公表し、渋谷区「パートナーシップ証明書」第1号証明書を取得し話題になった。(現在は解消している。)

様々な生きづらさを抱えながらも、居場所を探しながら生きている姿は、素直に応援したいと思った。 

誰だってそうだけれど、誰かにどんなに批判されても、結局自分は自分でしか生きていけない。かっこ悪くても、人と違っても、堂々と生きていいのだ。そんなことを思った。(#東小雪)

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