「普通がいちばん」が口癖の妻、公務員の真面目な夫、ごくごく普通の娘の3人家族。
平凡に暮らしていたのに...突然1週間の夫の失踪そして、夫の秘密。
妻・夫・子の3人それぞれの視点で描かれたコミックです。
著者自身の実話ではなさそうですし、設定上少し無理がある部分もあります。
が、考えさせられる部分が結構あるな...と思いました。
『わたしは家族がわからない』 感想
結論から言いますが...結果的に、この夫は妻と子供を捨てます。
描かれている部分に、妻にも子供にも特に悪い部分はありません。
夫婦が本音でぶつかりあい、もっと「普通」の生活に感謝して生活していれば...と思う方もいるかもしれませんが、実際日々の生活なんてあわただしく過ぎていく。そんな理想の生活はなかなか難しいものです。
そして妻が、波風の立たない平和な日々を望むことはとても理解できます。
反対に、夫が失踪した理由をまったく理解できないし、共感もできません。
でもこの本を読んで、知り合いの男性2人(共に30代)が結婚後に妻と子供を置いて、数回失踪を繰り返したことを思い出しました。(のちに2人とも離婚)
偶然なのかなんなのか分かりませんが、2人とも全く同じ「なんとなく今の”すべて”が嫌になった」という理由でした。
そして私自身も30代の頃、急に夫が「なんとなく今の”すべて”が嫌になったから別々に暮らしたい」と言い始めたことで、大きな離婚危機になったことがありました。(私の夫は失踪はしませんでしたが。)
っつーか、なんなん?30代既婚男性、勝手すぎん?
この登場人物3人(私の夫・高校の同級生・友人の夫)とも、妻が子育て・仕事・家事に追われる中で喧嘩が増えた、仕事で嫌なことが続いた、家族が息苦しくなった、そしてなんとなく全てを投げ出してリセットしたかった....そんな感じ。(時間が経って冷静に考えると....もしかしたら、優しくしてくれる”イイ女”がいたのかもしれないですね。)
そういう人の方がもちろん少ないとは思うけれど...友達の少ない私が夫を含め3人も、身近で似たようなことがあったということは、案外そんな自分勝手な理由で家族を捨ててしまう人もいるのかもしれません。
普通に暮らしたくても、自分の家族を守りたくても、家族に1人でも”そうじゃない人”がいれば「家族」なんて簡単に壊れてしまう...そんなことを思いました。
(#やまもとりえ)