わたし、シーズン2

読書が趣味の40代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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『乳と卵』母親が「女」になること...それはそれは恐怖で悍ましい

f:id:egaode_kurasu:20210227123456p:plain姉とその娘が大阪からやってきた。

 

三十九歳の姉は豊胸手術を目論んでいる。姪は言葉を発しない。

 

そして三人の不可思議な夏の三日間が過ぎてゆく。第138回芥川賞受賞作。

乳と卵 感想

独身の"私"と母である巻子、その娘で、思春期まっただ中の緑子の3人の物語。

 

私自身の母と巻子が重なり、思春期の頃の私と緑子が重なった。

 

思春期の娘にとって、母親が「女」になること...

 

それはそれは恐怖で、悍ましい。

 

そして悍ましいと思っている”目の前の女”に自分の体がどんどん近づいて行くのを、汚らわしく思う。

 

そういう気持ちがとてもよくわかる。

 

ドロリとしたこの物語の中に、語り部の「私」がいてくれたことで、緑子は少しでも救われたんじゃないかと思う。

 


女は大変だ。そしてめんどくさい。


女は生まれる前から、体の中に卵をたくさん持って生まれてくる。

 

それを「素敵だ」と思える人と思えない人の違いはなんだろう。

 

色々と思う事はあるけれども、思春期の緑子もいつか...女でよかったと思えるようになって欲しい。

 

「乳と卵」それは女性を象徴する言葉だなぁと改めて思った。

 

 関西弁が多いので馴染みがない人は少し読みにくいかもしれない。

 

ネバネバ・・・とした部分もあるけれど、読後は悪くない。そんな1冊だった。(#川上未映子)

 

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