わたし、シーズン2

読書が趣味の40代主婦。きままな読書感想文を中心に日常を綴っています。家族は、夫と娘と元保護犬の愛犬ミィ。

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『飛田の子』料亭と呼ばれるお店が立ち並ぶ色町のお話

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飛田新地・・・ご存知ですか?

 

大阪市西成区の山王3丁目一帯に広がる大正時代に開かれ、日本最大と言われた飛田遊廓の事です。

 

そこには「料亭」と呼ばれるお店が立ち並びます。

 

そしてそこにいる女の子(仲居)とお客さんは、店の2階で自由恋愛をします。

 

働いている女性は、若い女の子から「年金通り」と呼ばれるところで働くベテランさんまで。

 

 

この本は、この飛田新地の料亭の元経営者がつづった人間ドキュメントです。(この本の前に「飛田で生きる」があります。)

 

正直、女性にとってこのような場所は馴染みがないというか、どこか別世界のように感じませんか?

 

私もそう感じていました。

 

だけど、そこで働いている人こそ女性なんですよね。

 

それは、なんとも言えない気持ちになります。

 

本書では6人の女の子が出てきます。

 

年も境遇も、飛田で働く理由もさまざま。

 

そしてそこは、女の憎悪が渦巻く悲しい場所に感じました。

 

 

女の子達のプライバシーへの配慮として、多少のフェイクが入っているとは思うのですが、

 

普通に結婚していたけれど、子供ができない事が原因で離婚し、その後飛田で働くという子

 

母親もまた飛田で働いていた...という子

 

夫も子供もいるが、生活のために飛田で働く...という子の話も出てきます。

 

現役を引退すると”呼び込みのおばちゃん”になる人も多いみたいです。

 

まさに「飛田で生きる人」だと感じました。

 

現在でも、160軒ほどの料亭が残り、1日に300~400の女の子が働いているそうです。


いろんな意見があって当たり前。私とて、それが正義なのか悪なのか分かりません。
(もしくは、そういったものではないのかも。それも分かりません。)

 

だけど、そこに生きる女性たちの抱える闇を想像すると、なんとも言えない切なさも感じます。

 

欲望と欲情、憎悪、哀愁の漂う街 飛田遊郭...(#杉坂圭)

 

* この本の感想を書きました *