元ゲイ風俗とゲイバーで働いていたゲイの”もちぎさん”のコミックエッセイ。全3巻のシリーズです。
このところ高校生の娘がLGBTについてよく話してきます。
学校で多様性について話し合ったり、インスタでフォローしているLGBTの方の投稿がキッカケのようですが、
「なぜマイノリティの人達が辛い思いをするのか」
「なぜ同性同士の結婚が認められないのか」
などと質問されるたびに、私も考えるようになりました。
もともと私はLGBTの方に対しての嫌悪感などは一切ありません。
一緒に仕事をしたこともあります。(特にカミングアウトされたわけではないのですが、普通にメイクをしたり、女性用の服を着ていたので。)
だけど娘の質問によって、まだまだ知らないこともたくさんあるよなぁと思いました。
そんな時、こちらのコミックが目に入ったので読んでみることにしました。
コミックということもあり、めちゃくちゃ軽い気持ちで読み始めたのですが...なかなか内容的には重いし、著者のおいたちも複雑。
結構な毒親に育てられていてその描写に胸が痛みましたが、よい先生や仲間や友達に巡り合えたのは救いだと思いました。
年齢の割に悟ったような言葉がたくさん出てきますが、辛い思いやたくさん傷ついた経験から生まれた言葉なんだろうな。
作中には様々な苦悩を抱えた人が出てきます。
一言にLGBTと言っても、セクシャリティや性癖や人間性などは、あたりまえですが様々です。そしてそれは"普通の人"と同じ。
なによりも自分という「存在」を否定されることは、誰だって辛い。セクシャリティはアイデンティティでもあるんだと思いました。
多くの人が親や友人に「私、異性愛者なんだ」なんて言わないように、「カミングアウト」なんてせずにとも、それぞれのセクシャリティを普通に受け入れられる社会になればいいなと思います。(#もちぎ)