私には2匹の大切な愛犬がいます。
11年前に我が家にやってきた小型犬のスニフと、5年前にやってきた保護犬(中型犬雑種)のミィ。
でも、もう私はスニフを抱きしめることはできません。
2020年8月にお空に旅立ってしまいました。
スニフは、九州のブリーダーさんから我が家にやってきました。
娘が4歳の時にうちに来たので、娘とは本当に兄弟のように育ちました。
海や川や山などいろんなところにも一緒に行きました。
大きな病気などしたことがなく、よく食べてよく寝る子でした。
なので昨年も、毎年春に受けていた健康診断を、何の心配もなく受けました。
例年と同じように「異常はなかったですよ」と言われるとしか思っていませんでした。
でも...健康診断から数日後、獣医さんから電話があり「検診の結果、重度の貧血なのですぐにきてください。」と言われて、急いでスニフを連れて行きました。
改めて血液検査をしたら、たった数日前の検診時よりも貧血が酷くなっていて、エコー検査で腹部に腫瘍が見つかりました。
「今日、病院を閉めた後に腫瘍摘出の緊急手術をします。貧血が酷いので、輸血をしながら行います。今から準備に入るので入院してください。」と言われ、あまりの突然の出来事に頭が真っ白。
ただただ「お願いします」と何度も伝えました。
帰り道は、とにかく涙が止まらなかったのを今でもハッキリと覚えています。
先生から手術終了の電話がかかってきたのは夜中12時前。
「結論から申し上げますと....腫瘍が大きく癒着も酷くて、腫瘍の摘出はせず閉腹しました。無理をして、出血をさせてしまうと命の危険があると判断したためです。」と言われました。
私が「良性の腫瘍の可能性はありますか?」と聞くと「ないと思います。ほぼ確実に悪性で、場所と様子から判断して血管肉腫だと思われます。」とのことでした。
組織を採ることができなかったので確定診断はできなかったのですが...先生が後日、腫瘍専門医に手術中の動画や写真を見せて意見を聞いてくれたらしく、その腫瘍専門医も、同じように血管肉腫の可能性が高いとのことでした。
血管肉腫は、脾臓にできることが多いのですがスニフの場合は、脾臓周辺の大きな血管に腫瘍ができていました。
手術翌日、病院の休診時間にお見舞いに行かせてもらうと、力なく横になっているスニフがいて、また泣けてきました。
先生の愛犬(ゴールデンレトリーバー)から輸血をしていただいて、貧血の数値は一時的改善しているが、腫瘍によりまたすぐに貧血になるとのこと、
そして...もうスニフに残された時間が長くないことを聞きました。
先生は、より高度な検査や治療ができる病院を紹介することもできると言ってくださったのですが...血管肉腫は極めて予後が悪く、抗がん剤も効きにくいことも知っていたし、なにより完治することはほとんどありません。(スニフのように進行してしまっていると特に。)
だから私は、これ以上の辛い検査や治療はせず、残された時間の苦痛をできる限り取り除く緩和ケアを望みました。
先生は、手術の傷は深くないので大丈夫だけど、容態の急変があるといけないので、あと数日の入院を勧めますと言ったのですが...
残された時間が短いこと、スニフの顔があまりにも辛そうで、そばにいてあげたかったこと、そして何よりこのまま病院で亡くなってしまうのが嫌だったので連れて帰ることにしました。
先生は「僕は獣医として治療を考えて入院を勧めましたが、スニフくんを想っての”飼い主さん”としてのその決断は間違っていないと思います。」と言ってくれました。
そして「何かあったら、遠慮なく電話してください。」と、携帯の番号を教えてくれました。
その日から、私たちとスニフの闘病生活が始まりました。
続きは ⇒血管肉腫と診断された愛犬の闘病と旅立ち