総勢36人の「文豪」と呼ばれる人たちのヤバイ一面を教えてくれます。
登場してくる人物を全員知っていたわけではありませんが、文豪同士の関係性なども書かれていて興味深く読めました。
現在とは時代背景が異なるとはいえ...なかなかのエピソード満載。
目立つのは、不倫・薬物中毒・自殺 (心中)・神経衰弱...今だったらすぐに文春砲をくらって、SNSで血祭にされて大炎上な案件多数。
ただ...実はわたしは心のどこかで、何かを生み出すような人は「普通の人」であってほしくないと思っているところがあります。
クズであってほしいとか、スキャンダラスであってほしいということではなく...
めちゃくちゃ乱暴で失礼な言い方をすれば「社会不適合者」や「変態」であってほしい。(決して「反社会的な人間とか」「性的に変態」であってほしいということではないですよ。)
だからこの本に出てくる文豪たちは、ヤバイんだけど清々しいというか...これでこそ!と私は思ってしまいました。(周りの人たちは本当に大変だっただろうけど...ね。)
弱さを認めたり、多様性を尊重しようとする反面、「聖人君子でなければいけない、人生で1つの過ちも許さない。」そんな昨今の風潮が少し息苦しく感じていた中で、文豪たちの破天荒さになんだか救われた気がしました。
自分の欲望にまっすぐで、どこか危うくて脆い文豪たちが身を削りながら書いた名作を、改めて読みたいと思わせてくれる1冊です。(#板野博行)
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