今までに2冊「永田カビ」さんのコミックエッセイの感想文を書きました。
そして今回、以下を追加で読みました。
これらのまとめてのレビューとして、今回は著者の「永田カビ」さんについて書きたいと思います。
私は、イライラするのに「永田カビ」という人から目が離せない
私は彼女の作品を読むたびに思うことがあります。
なんでこんなにメンヘラなの?
なんでこんなにグズグズするの?
いつまで全てを親のせいにするの?
とにかく、終始イライラします。
だから「私とは違う世界で生きている人」と、わざと心の中で線引きをするのに....必ず心にグサッグサッと刺さってくるのです。
そして気づきます。
「あぁ...もし自分の頭の中のことを全てを文字にすると、みんなこんな風に人をイライラさせるのかもしれない」と。
だって、人なんてみんな自分のことが1番だもの。
私を含め多くの人は、自分の心の中をいちいち文字や絵にして人に見せたりしないけど、もし彼女のように素直に心の中を文字にしてさらけ出したら、私だって絶対ヤベェ奴だろうな...なんて真剣に思うのですよ。
そして、彼女のように依存症やADHDでなくても生きづらさも罪悪感も寂しさも感じることは誰でもあって。
でも、これまた私を含め多くの人は、自分の心の中の「そういうもの」に気づかないふりしたり、他に楽しみを見つけたり、開き直ったりしてやりすごしてると思うの。
もし、私も彼女のように自分の心の奥の気持ちをスルーせず、ごまかさず、真正面に向き合い掘り下げたとしたら....こんな感じになっちゃうのかもしれない。
そんなことを考えながら読み進めると...あまりにも人に迷惑を掛けてる様子に「やっぱりこの人、どうしようもねえな...」とドン引きし、やっぱり私はこの人のことを理解できないって思うのです。
なのに読み終えると、とにかくナナメ上の行動力にちょっと羨ましさを感じたり、バタバタと見苦しくもがきながらも一生懸命生きている彼女に眩しさも感じたりして、とにかく心をぐらんぐらんと揺さくられます。
イライラする...のに、目が離せない。
私はきっと彼女を応援している。
自分を俯瞰で見つめる能力が高い彼女が生み出す言葉は実にリアルで、よく研がれた刃物のように突き刺さります。
アルコール依存症を克服して、これからもその刃物を武器に書き続けて欲しいと思います。(#永田カビ)